犬のごはんは1日何回?

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人は朝・昼・夜と1日3回バランス良く食事をとることが推奨されていますが、ペットとして飼われている犬はどうでしょうか。ここでは、犬の1日当たりの食事回数をライフステージ毎にお話ししていきます。

子犬期

小型犬では10〜12ヶ月齢、大型犬では18ヶ月齢までと言われる子犬の成長期は、体づくりのために成犬の約2倍のエネルギーを必要とします。しかし、1回当たりの食事量が多くなると未発達な消化器官に負担がかかり、嘔吐や下痢を引き起こします。また、子犬の場合は食べ物の糖分に血糖値の維持を頼っているため、空腹時間が長いと低血糖症になりやすいので注意が必要です。
子犬の時期は、体の負担を減らすために1回の食事量を少なくし、1日3〜4回を目安にあげましょう。月齢が進むと共に成長速度も緩やかになり消化器官も発達するため、徐々に1日2回へ回数を減らしていくと良いでしょう。

成犬期

元々ハンターである犬は、一度に多量の食べ物を摂取できます。さらに、哺乳動物の中でも食べた物を消化する速度が特に速く、健康な成犬ではウェットフードや野菜などの食材で約4〜6時間、ドライフードで約8〜10時間、穀物などの消化しにくい食材で12時間と言われています。
1日1回の食事では犬の空腹時間が長くなるため、胃内が高酸性になり白い泡状の胃液や黄色っぽい胆汁を吐いたり、食欲が満たされずストレスを感じる犬も少なくありません。また、食事の回数が1日2回に比べて、1回の方が肥満犬の割合が高いという研究結果もあります。飼い主のライフスタイルにも合わせ易いため、多くの場合1日2回朝夜の食事が最適とされます。
但し、小型犬は大型犬よりもエネルギー消費が早いなど、犬の大きさ・体質によっては1日3回が適している場合もあるでしょう。

老犬期

一般的に7歳を過ぎたら老犬(シニア犬)と言われます。健康上特に問題なければ、成犬時と同様1日2回の食事で良いでしょう。しかし、犬によっては消化器官の機能が低下し、一度に食べられる量も減るため、1日3〜4回に分けて体への負担を軽減させてあげましょう。

もちろん食事の回数と共に、栄養バランスと食事量も大切です。その子のライフステージ・犬種・体格・体質に合った食生活を心がけてくださいね。

<参考資料>
VCA animal hospital
・Dog obesity: Owner attitudes and behaviour (I.M.Bland, 2009)
・グレリン:イヌにおける基礎と臨床 酪農学園大学 獣医学群 獣医保健看護学類
北澤 多喜雄

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