首輪での引っ張りが与える首への負担

お散歩で首輪、ハーネスのどちらを使用していますか?
イギリスのノッティンガム・トレント大学とノッティンガム大学が首輪での引っ張りが与える首への負担を調査しました。興味深い結果が発表されたのでご紹介します。
この調査はプラスチックで作成した中~大型犬の首模型に感圧センサーを取り付け、そこに指2本が入るきつさで首輪を装着して引っ張ることで、どのくらいの圧力がかかるのかを測定しました。
使用した首輪はナイロン製のフラットタイプ、クッションカバー入りタイプ、首輪とリードが一体となったロープタイプのスリップリード、革製、チョークチェーンなど素材や幅の異なる8種類です。
下記の3段階の強さで引っ張りを再現し測定しました。
・軽く引っ張る(40ニュートン=約4kg重)
・強く引っ張る(70ニュートン=約7kg重)
・勢いよく強く引っ張る(141ニュートン=約14.4kg重)
圧力測定の結果、全ての首輪のタイプで十分に怪我のリスクがあることが分かり、特にチョークチェーンは首の前方に最も圧力がかかることがわかりました。この結果を受けて、研究者は「全ての首輪にリスクが伴います。犬が絶対に引っ張らないようにトレーニングをするか、首に負担のかからないハーネスへ切り替える必要があります。トレーニングの一環としてリードを引っ張ることも絶対に止めるべきです。」と述べています。
首に優しいと言われる、クッションカバー入りや幅広タイプの首輪であっても怪我のリスクがあると言う調査結果をご紹介しました。ここで言われている怪我というのは皮膚の損傷だけでなく、一見わかりにくい咽頭、頸椎などの損傷も含まれます。
今まで首輪での引っ張りで犬の首にどのくらいの負担がかかるのか、具体的なデータはありませんでしたが、今回の調査結果を参考にしてみてくださいね。
<参考資料>
・Canine collars: an investigation of collar type and the forces applied to a simulated neck model(VetRecord,2020)