もしもの備え!災害時の食事 〜備蓄フードの種類・保管編〜

前回『もしもの備え!災害時の食事 〜日頃の準備編〜』では、災害に備えて日頃から準備しておきたいものについてお話しました。
それでは、ストックしておくフードはどのタイプを、どのように保管すべきなのでしょうか。フードの種類別のメリット・デメリットをみていきましょう。
ドライフード(フリーズドライフード)
【メリット】
・賞味期限が長く常温保存が可能
・ウェットフードに比べて軽いため持ち運びやすい
【デメリット】
・水分含量が10%以下のためフードとは別に水の摂取が不可欠
ウェットフード(缶詰・パウチ)
【メリット】
・水の確保が難しい場合でも食事と同時に水分補給ができる
・嗜好性が高いので食欲が落ちた場合でも食べてくれる可能性がある
【デメリット】
・水分含量が30%以上(多いものだと75%程度)のためドライフードよりもたくさん食べさせないとカロリーや栄養が不足してしまうことがある
・重量があるので持ち運びに不便
・食べた後の缶や袋のゴミが多く出る
それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、犬の体調や災害時の状況によって使い分けることが大切です。ドライフードとウェットフードの両方を用意しておきましょう。
普段から手作りの食事をあげている場合は、何食分かをまとめて作り置きし、冷凍保存しておきましょう。しかし、災害の規模によっては手作りすることができない可能性は大いにあります。日頃から市販のフードも食べられるように慣らしておくことが大切です。
また、古くなって酸化したフードは、下痢などの消化器疾患の原因になります。フードや水のストックには「ローリングストック法」を活用しましょう。
ローリングストック法
常に一定量(数)のフードをストックしておき、賞味期限を確認して古いものから使っていきます。「使ったら買い足す」という方法をとることで、賞味期限が切れてしまう心配がなくなります。
せっかくストックしておいたフードや水が、倒れた家具の下敷きになり取り出せなかったという事例もあるようです。ストック場所は1ヶ所ではなく、一戸建て住宅であれば上階と下階、マンションであればキッチンや寝室の収納など、可能な限り複数の場所に置いておくといった工夫をしましょう。
ペットである犬は、災害時にひとりで避難することも生き延びることもできません。万が一のときにうちの子を守れるのは飼い主であるあなたです。いつ起こるかわからない災害に備えて、日頃の準備を万全にしておきましょう。
<参考資料>
・災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
・一般社団法人ペットフード協会
・「ペットを守る、ペットと生きる防災〈実践編〉」(水越美奈, 2019)