そのお悩み、食べ物が原因かも!?〜よだれやけ編〜

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口周りが茶色くなったり、繰り返し同じ箇所を舐めることで体の被毛が茶色くなってしまうことを「よだれやけ」と言い、口周りの変色を特に「ひげやけ」とも言います。
マルチーズやビション・フリーゼのように白い被毛の犬種や、トイ・プードルやミニチュア・シュナウザーのように口周りの被毛が長い犬種で多くみられます。

犬の唾液中には、涙と同じように被毛および皮膚の着色の原因となる物質が含まれているため、よだれやけには下記にような原因が考えられます。

●唾液中のポルフィリン (porphyrin)が日光と反応する
●唾液中のラクトフェリン(lactoferrin)が環境中の鉄と結合する
●舐めた箇所を長時間放置することで雑菌が繁殖する

歯周病・唾液腺炎・腫瘍といった口腔内及び唾液腺の病気や先天的な骨格、外傷などによって唾液の量が多くなり、よだれやけが引き起こされることもありますが、ここでは食生活におけるよだれやけの予防・改善のポイントをお伝えします。

良質なドッグフードをあげる

人工添加物や動物の副産物を多く含む食べ物は、消化不良を引き起こしやすくなり、また脂質の多いドッグフードを食べると、口内や口周りに残った脂質分が酸化して、よだれやけを引き起こす場合があります。不要な添加物は避けて、体質に合った質の良いドッグフードをあげましょう。
手作りの食事では赤血球(ポルフィリン)が多い赤肉ばかりではなく、白味魚や鶏肉など様々な種類の食材をバランスよく取り入れることが大切です。

アレルゲンとなる食材を避ける

アレルゲンとなる物質を摂取することでかゆみや赤み、湿疹などのアレルギー症状がでます。それらの不快感を和らげるために症状のでている箇所を舐め、結果そこに多くの唾液が付着し、よだれやけを引き起こします。アレルゲンとなる食材は避けましょう。

水の摂取量を上げる・水の質を変える

水分を多く摂取することで代謝が上がり、体内の老廃物の排出が促され体質の改善が期待できます。また、ミネラル含量の高い水はよだれやけの原因ともなりうるため、普段の飲み水を蒸留水や濾過水に変えると良いとも言われます。

衛生的な食器を使う

食事をあげる際にプラスチックの器を使うと、傷が付きやすく雑菌が繁殖しやすいため、よだれやけの原因となることがあります。ガラスや陶器、ステンレスの器がおすすめです。

体質に合った良質な食生活を心がけ、歯磨きや口周りをこまめに拭くなど日頃のケアをしっかり行うことで、多くの場合改善が期待できます。

<参考資料>
Gelatt (ed). Veterinary Ophthalmology. 5th ed. Wiley-Blackwell, Ames, Iowa.

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