笑って済まされない<犬の誤飲・誤食事故>

HEALTH

誤飲・誤食とは、本来食べるべきでない”もの”を誤って飲み込んだり、食べてしまう事故のことです。犬が自ら吐き出したり、排泄から出てくる場合もありますが、死に至ることもあるので注意が必要です。

12月~2月の冬にかけて多く、クリスマスや忘年会、お正月、バレンタインといったイベントシーズンは犬にとって誘惑物が多く、飼い主さんも犬に注意が向きにくい時期なので気を付けましょう。

特に、1歳未満の子犬は好奇心旺盛で、興味をもった”もの”は口に入れてしまうため誤飲・誤食事故が起こりやすく、成犬の倍の発生率となっています。また、再発性が高く、繰り返しする子も少なくありません。
大型犬や短頭種など口が大きい犬種は、比較的大きなオモチャや硬いオヤツも飲み込んでしまう危険性があります。

誤飲・誤食による症状

<消化管障害>
発見、処置が遅れれば命にかかわる。手術が必要な場合も多い。

1.消化管穿孔(せんこう)
消化管に穴が開いてしまい、腸管の内容物がお腹の中に漏れ、腹膜炎を起こす可能性がある。

竹串・鳥の骨などの尖ったもの、割れたプラスチック製品、ヘアピン、画鋲、釘、針など

2.腸管閉塞
腸が完全にふさがれている状態や、腸の内容物が通過障害を起こしている状態。時間が経つと腸が壊死してしまうこともある。

家具や衣類から出ている糸・ひも類、ストッキング・靴下などの布製品、革製品、クッションやオモチャの綿、イヤホン、アクセサリー、硬貨、石、果物などの種、サランラップなど

3.食道閉塞
胃まで通過できずに食道に残ってしまい、気管を圧迫して呼吸困難を引き起こす(超小型犬に多く発生)。

果物や野菜(種も含む)、トウモロコシの芯、ジャーキー・ガムなど硬いオヤツ、ボールや丸い形状・柔らかくて小さくつぶれるオモチャ、消しゴムなど

<中毒>
全身症状を起こし、命にかかわることもある。

中毒を起こす食べ物
チョコレート、たまねぎ・ねぎ・にら・にんにく類(調理したものも含む)、カフェイン飲料、キシリトール、ぶどう、エビ・タコ・イカ、マカデミアナッツ、お酒、食用油など

有毒となるもの
保冷剤、防腐剤、乾燥剤、漂白剤、植物の球根(ユリ、シクラメン、ポインセチアなど)、観葉植物、人の医薬品、タバコなど

誤飲・誤食事故は予防が第一です。
犬が興味を引くものは出しっ放しにせず片づけて、犬から目を離すときはサークルやクレートの中で休ませ、わが子の安全を守りましょう!

<参考資料>
アニコムホールディングス株式会社「家庭どうぶつ白書2018」

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