骨折が子犬に多いのはなぜ? ~原因・症状編~

HEALTH

骨折とは、骨が完全に折れてしまった状態、ヒビが入ったり骨が欠けてしまったりする状態のことです。骨自体の損傷だけでなく、折れた骨は鋭いため内臓や血管、神経、筋肉などを傷つけて合併症を起こしてしまうこともあるので早めの治療が必要です。

特に、子犬の骨折が圧倒的に多いので気をつけましょう。
1歳未満63%、1歳以上~2歳未満22%、2歳以上15%(アイペット損保調べ)

成長期の子犬の骨はまだ完全に形成されておらず、骨が細く華奢で強度も弱く少しの衝撃で骨折しやすいうえ、子犬は好奇心旺盛で落ち着きがなく活発に動くため、骨折が多く見られます。

また、お家に迎えてからの飼い始めは、子犬も飼い主さんも危険に対する意識が低いため、危険な行動や生活環境により骨折を招いてしまいます。
骨折の多くは家の中で75%、外で25%(アイペット損保調べ)と、特にリビングで飼い主さんと一緒にいるときに起きているので注意が必要です。

原因

【子犬に多い原因】
・ソファ、ベッド、イス、階段などの段差からの飛び降り
・抱っこ中の落下や飛び降り
・フローリングで足を滑らせて転倒
・飼い主さんが誤って踏んでしまう、ドアやクレートに挟んでしまう
・栄養障害による骨軟化症(クル病):体内のカルシウム、リン、ビタミンDが不足し、生後1~3ヵ月の子犬に多く見られる
   
【その他の原因】
・交通事故(お散歩時にリードを離してしまったり、首輪が外れてしまうなど)
・犬同士の喧嘩、咬まれる
・病気(骨の腫瘍、ホルモン異常、老化による骨密度の低下など)

飛び降りや落下などの原因から、子犬は四肢の骨折、中でも前足の骨折が多いです。また、成長期に起こりやすい成長板の骨折もあります。特に、超小型犬や小型犬など骨が細い犬や、筋肉が少なくスリムな体格の犬は注意が必要です。
【好発犬種】ポメラニアン、チワワ、トイプードル、マルチーズ、パピヨン、イタリアングレイハウンド、ミニチュアピンシャー、ボルゾイ、サルーキ、アイリッシュセッターなど

症状

患部が腫れる、熱を持つ / キャンキャン鳴いて痛がる / 内出血 / 肢を引きずったり、肢を上げて歩く / 四肢に力が入らない / 抱っこしようとしたり触ると痛がる、唸る / 飛び跳ねたり走ったりしない / 元気がなく動かない / 患部を気にして頻繁に舐める / 排尿や排便が困難など

いつもと少しでも違う行動や上記のような症状が見られたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
次回は、骨折の治療と予防についてお話します。

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