梅雨の時期は要注意!犬の食中毒

気温が高く湿気の多い梅雨から夏にかけては、人と同じく犬も食中毒に注意が必要です。この時期は特に細菌を原因物質とする【細菌性食中毒】が増えるので、お家でしっかり対策をしましょう。
ドライフード
開封直後から酸化が始まり、高温多湿な時期はカビや細菌が発生し易くなります。大袋ではなく、早く使い切ることのできる小袋や、小分けになっているものを選ぶことがおすすめです。また、冷蔵庫での保管は出し入れの際の温度差でパッケージ内に結露が起こり、その水分によりフードにカビが生えてしまいます。風通しの良い冷暗所に保管しましょう。
ウェットフード
1回で使い切ることが理想的ですが、それが難しい場合は缶やパウチのままではなく、保存容器に移して冷蔵庫で保管します。細菌の多くは10℃以下の環境で増殖が遅延し、-15℃以下で停止しますが、死滅しているわけではありません。開封後1〜2日を目安にできるだけ早く使い切りましょう。
手作りの食事
牛肉・豚肉・鶏肉などにみられる食中毒菌の多くは「75℃以上・1分間の加熱」でほとんどが死滅するため、生食は避けて加熱調理をしましょう。但し、健康な犬の腸内にも存在するウェルシュ菌などは、熱に強く酸素がなくても増殖するため、加熱調理をしても冷めていく中で菌が増殖します。調理後は速やかに食べさせることも重要です。
水
犬の口腔内には400種類以上の細菌がいると言われています。犬が器で水を飲む際は、大量の唾液が水の中に混ざり細菌が増殖します。ボトル型給水器の場合は、容器の消毒や飲み口を清潔に保つことも大切です。循環型も過信せずこまめなお手入れを心がけてください。いずれも日が当たると細菌が増殖し易くなるため、陽の当たらない涼しい場所に置き、1日に最低2回は新しい水に取り替えましょう。
食器・調理器具
犬の唾液や食べ残しが付いたまま食器を放置すると細菌が増殖します。使用後はすぐに洗って乾燥させることが大切です。また、使用した調理器具もすぐに洗うようにします。
食べ残した食事
腸炎ビブリオなどは増殖速度が速く、栄養状態が良いと8分毎に2倍ずつ増殖します。食べ残しをそのままにせず速やかに片すことは、しつけの面だけでなく衛生面においても大切になります。
犬の食中毒は飼い主さんが気をつけることでほとんどの場合が予防できます。しっかり対策をして湿気の多いシーズンも元気に乗り切りましょう!
<参考資料>
・東京都福祉保健局「食品衛生の窓」
・食品安全委員会【PDF(1.9MB)】
・細菌性食中毒 とその予防(2) (花岡正季, 1991)
・細菌性の食中毒 (寺嶋 淳, 2016)