ドッグフード選びで大切な3つのこと

現在日本で飼育されている犬の約90%以上が、主食として市販のドッグフード(総合栄養食)を食べています。ここでは、体づくりに重要なドッグフード選びのポイントについてお伝えします。
1. 品質の良い原材料を使った、栄養バランスの取れたものを選びましょう
犬にとって特に必要不可欠な栄養素であるタンパク質や脂質をメインに、できるだけ良質な原材料が使われているものを選ぶことが大切です。また、雑食動物である犬が消化・吸収し易いのは「動物性タンパク質>植物性タンパク質」と言われている為、体質的に問題がなければ、動物性タンパク質がメインのものがお勧めです。
【原材料表記をチェック!】
原則、含まれている割合が多いものから順に記載されています。原則、含まれている割合が多いものから順に記載されています。原材料の3番目までは、ドッグフード全体に占める割合も多いため特に大切になります。始めに「チキン」「サーモン」など動物性タンパク質がきているものを選びましょう。
その他の原材料についても「鶏油」「亜麻仁」「ハーブ(アルファルファ、チコリーなど)」といった詳しい原材料や、部位・産地といった具体的な記載があるものは更に安心です。また、「肉副産物」「ミール」は、本来なら処分されてしまうような肉(4Dミート)が含まれている可能性があります。但し、生肉よりも栄養価の高い乾燥肉を使用している場合も「〇〇ミール」と記載されるため、ドッグフードメーカーのホームページで「肉副産物不使用」かどうかを確認しましょう。
2. 添加物の成分や使用目的を知りましょう
ドッグフードに含まれる「添加物」は、使用目的・犬の体への影響・由来成分を確認した上で、体に悪影響のあるものはもちろん、不必要なものも避けることがベストです。また、必要な場合には「天然由来」のものを選びましょう。
例えば、飼い主の購買意欲を上げる為の着色料・発色剤、犬の嗜好性を上げる為の香料・合成調味料は、不必要な添加物と言えます。カビや細菌の繁殖を防ぐ保存料は、短い賞味期限の設定や水分量の調整によって使わずに済みます。逆に、ドッグフードは製造時から酸化が始まる為、品質・安全性を高める目的で、そのほとんどに酸化防止剤が含まれます。「ローズマリーエキス」「トコフェロール」といった天然由来のものが安心です。
3. 犬の体質やライフステージ、飼い主の価値観に合ったものを選びましょう
一般的に犬は動物性タンパク質の方が消化・吸収がし易いと言われていますが、必ずしもグレインフリー(穀物不使用)*・グルテンフリー(小麦不使用)のドッグフードが、全ての犬に適しているという訳ではありません。犬種や体質、ライフステージによっても、適したドッグフードは変わります。
また、良いと思ったものでも、続けられなければ意味はありません。あなたが続けやすい価格帯の中で、原材料など納得できるものを選ぶことも大切です。
健康な体づくりに大切なドッグフードだからこそ、あなたがうちの子に良いと思えるもの見つけてあげましょう。
※グレインフリーのドッグフードは、拡張型心筋症との関係性を指摘されています(米食品医薬品局(FDA), 2019)。但し、この調査は現在も継続中で実証されたものではありません(2020.4時点)。
<参考資料>
「一般社団法人ペットフード協会(2019)」
「愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称:ペットフード安全法, 2009)」
「ペットフードの表示に関する公正競争規約(2016)」
「添加物の表示について」厚生労働省
「共立製薬株式会社ペットの食事学(2019)」
「ペットフードで使用される主なタンパク質資源料」(ペット栄養学会誌, 2019)