皮膚トラブルの原因が知りたい ~かゆみ編~

犬の皮膚トラブルで悩んでいる飼い主さんは多く、中でも湿度が高まる梅雨~暑くなる夏の時期は‟かゆみ”の強い皮膚炎が増加します。
皮膚のかゆみの原因は、乾燥や換毛期の影響などさほど心配いらないものから、アレルギーや感染症など治療が必要なものまで様々です。
かゆみは不快感を伴うばかりでなく、ひっかくことで皮膚の炎症や重症化にも繋がることがあるので、早めに動物病院で受診することをおすすめします。
下記のような、犬がかゆがる行動や症状が見られたら要注意です!
行動
舐める、噛む、引っ掻く、擦りつける
症状
かゆみで夜ぐっすりと眠れていない
遊んでいるとき、散歩中、食事中などでも身体をかゆがる
炎症がある
独特な臭いがする
かゆみの程度がひどくなってきている
顔や目の周り、耳をかゆがる
【原因】
アレルギー
特定の抗原(アレルゲン)が体内に侵入することで起こるアレルギー反応。
・犬アトピー性皮膚炎
遺伝的な素因があり、イエダニや花粉など環境中の抗原が原因。多くの場合は生後6ヶ月〜3歳という比較的若い年齢で発症する。
・食物アレルギー
食物に含まれる特定のたんぱく質に対する過剰反応によって起こるアレルギー反応で、かゆみや炎症の他に嘔吐、下痢などの消化器症状を起こすこともある。季節性がないことが特徴。
・接触性皮膚炎
洗剤・殺虫剤などや漆・毒ツタなどアレルギー性物質と直接、接触することによって起こる。
・ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液成分に対してアレルギー反応を起こす炎症反応で、夏から初冬にかけて多く発症する。
・疥癬(かいせん)症
イヌセンコウヒゼンダニの寄生によって発症し、非常に強いかゆみが特徴。
感染症
バリア機能が低下したために、常在する細菌や真菌が皮膚に侵入・増殖することで起こり、夏に多く発症する。酷くなると独特の臭いがする。
・膿皮症
細菌(ブドウ球菌)が原因
・マラセチア性皮膚炎
真菌(酵母菌:カビの一種)が原因
心因性
環境の変化やストレスなど、精神的な問題が原因となって起こる。
病気・けが
・自己免疫性疾患(天疱瘡(てんぽうそう)など)
免疫が自分の皮膚を攻撃するために起こり、夏季に多く発症し悪化する傾向がみられる。
・皮膚型リンパ腫
皮膚に発生するがんでもかゆみを伴うことがある。
・虫さされ、トゲが刺さっている、外傷がある、関節炎での痛みがあるなど
患部の皮膚を気にして舐めたり擦ったりして炎症を起こす。
皮膚のかゆみを予防するためには、日頃のお手入れで皮膚を清潔に保ち、細目に健康チェックをして悪化する前に気づいてあげることが重要です。