そのお悩み、食べ物が原因かも!?〜食ふん編〜

犬が自分や他の犬(動物)のうんちを食べる「食ふん」、正式には「食糞症(Coprophagia)」といいます。アメリカで行われた研究では、一般的に飼われている犬のうち約16%に頻繁な食ふんがみられ、約23%に少なくとも1回の食ふんがみられました。
子犬の好奇心による行動や母犬にみられる本能的な行動、消化器系疾患による行動など、その原因は諸説ありますが、ここでは食べ物に関わるものにポイントを絞ってみていきましょう。
1. 食事の量が少ない・多い
食事の量が少ないと、空腹を満たすためにうんちを食べることがあります。逆に多いと、消化不良を引き起こし易くなります。最近のドッグフードは脂肪やタンパク質が比較的豊富に含まれているため、消化が完全でないうんちは犬にとって魅力的な食べ物になってしまう可能性があります。
犬の年齢・体重・ライフスタイル・ドッグフードの種類を踏まえて、適正な量の食事をあげましょう。空腹感が強い犬は、満腹感を与えるために1日の食事回数を増やすこともおすすめです。
2. 食事が体質に合っていない
適正な量をあげていても、食事自体がその子の体質に合っていないと、消化・吸収を適切に行うことができません。異なるタンパク源のドッグフードに変更したり、消化の良いカボチャなど繊維質の食べ物をあげることで、うんちの臭いや状態が変わり食ふんの改善が期待できます。
3. 栄養素が不足している
低品質なドッグフードなどをあげている場合、ビタミンB・K・消化酵素が不足し食ふんに繋がるという説があります。ウサギやモルモットのように、犬も腸内細菌によって生成された栄養素をうんちから摂取しようとしているのかもしれません。キャベツ・リンゴ・納豆などビタミンや消化酵素を多く含む食べ物を適度にプラスしたり、栄養バランスのとれたドッグフードをあげましょう。
食ふんを予防するためには、第一にうんちをしたらすぐに片付けることが大切です。そして、健康な犬であれば、それと共に普段あげている食べ物も見直してみて下さいね。
<参考資料>
・The paradox of canine conspecific coprophagy (Benjamin L. Hart, 2018)
・Correlates of Coprophagy in the Domestic Dog (Canis familiaris) as Assessed by Owner Reports. (Broox G. V. Boze, 2010)