犬同士の遊びが必要な3つの理由

ドッグランでの犬同士のじゃれ合いや人とオモチャで遊ぶことは犬にとって当たり前のこと、と言えます。
しかし、犬たちは「楽しいから」という理由だけで遊んでいるわけではありません。
今回は、2017年にエディンバラ大学獣医学研究所のレベッカ・ソマーヴィル氏の研究チームの発表に基づき、犬が遊ぶ3つの理由をお話したいと思います。
1. 運動能力を身につけるため
子犬同士の遊ぶ様子を見ているとよくわかるのですが、お互いに追いかけたり、取っ組み合いをして転げまわったり、時には軽く噛み合ったりもします。このような動きの中で、子犬たちは身体的な運動能力を鍛えているのです。
2. 予期しないことが起きたときのためのトレーニング
遊びの中でも、バランスを崩して倒れたり、驚くような予想外な出来事に見舞われることもあります。そういった出来事に対して身体的・精神的に落ち着いて対処できるよう、犬たちは遊びを通じて自然とトレーニングされていきます。こうして学んだことは実際の生活の中にあるストレス要因とうまく付き合っていくための基礎となります。
3. 社会的な関係を作るため
遊びによって犬たちは社会的な関係を作り上げ、スキルも学んでいきます。例えば「どのくらいの強さでなら遊び相手に噛みついても大丈夫なのか」「相手の仕草から遊びの始まりと終わりのタイミングを知る」などは遊びを通じて身につけます。また、オモチャの引っ張り合いなどの遊びでどちらかが勝った場合、これは支配力を高めることにはなりません。犬にとって遊びとは階級ではなく協力関係を構築するためのものなのです。
犬たちは遊ぶことで身体的・精神的・社会的な面が育まれることがわかります。
これらのことは犬同士の遊びだけでなく、犬と人の関係性にも共通するため、犬ができるだけたくさんの人と触れ合う機会を作ることや犬と人が一緒に遊ぶことも大切だと言えますね。
<参考資料>
・Why do dogs play? Function and welfare implications of the domestic dog (2017)
・Why Do Dogs Play? (2017)